志望高校を考えている最中の生徒,保護者から「〇〇大学に行くには,どの高校がいいですか?」とか「この高校からは難しいですよね?」といった質問を受けることがあります。これがなかなか答えにくい。もちろん,高校別の合格実績などからある程度のことは言えるのですが,大学選びは高校選びとは比べ物にならないくらい複雑なので,単純にその生徒の志望大学の合格者数だけでは判断できないのです。
今年の京都大学の合格者数は,北野高校が72名で全国1位だったそうです。一方で東京大学の合格者数は3名。このことから「北野高校は京都大学には行けるけど東京大学は難しい」と単純に言えるでしょうか。そうとは言えませんよね。なぜなら,そこには受験生の志向というものがあるからです。みんながみんな東大をめざすわけではないということです。
そこで,今回は主に京阪神の国公立大学という大きなくくりでの合格者数のランキングを作ってみました。「国公立に合格する力はあるが,私立が第一志望である」という受験生は少数であることや,国公立大学は重複合格ができないことからも,高校の実力を表す一つの指標になると思います。
下の表の「合格者数」とは,旧帝国大学(東京・京都・大阪・北海道・東北・名古屋・九州)と東工大・一橋大・神戸大・大阪市立大・大阪府立大・京都工繊大の今年(2019年)の合格者数の合計で,浪人を含んでいます。右端の「率」とは卒業生数に対する合格者数の割合です。高校は文理科校と大阪北部で率が10%を超えた学校を選びました。私立は後述のようにちょっと事情が異なりますので,今回は公立のみの比較です。
卒業生数 | 合格者数 | 率 | |
北野 | 318 | 223 | 70.1% |
天王寺 | 360 | 222 | 61.7% |
茨木 | 360 | 210 | 58.3% |
三国丘 | 318 | 171 | 53.8% |
大手前 | 371 | 166 | 44.7% |
豊中 | 394 | 171 | 43.4% |
四條畷 | 352 | 121 | 34.4% |
高津 | 354 | 114 | 32.2% |
生野 | 353 | 103 | 29.2% |
岸和田 | 350 | 91 | 26.0% |
春日丘 | 317 | 52 | 16.4% |
千里 | 311 | 40 | 12.9% |
池田 | 390 | 43 | 11.0% |
やはり北野が突出しています。卒業生の7割が国公立とはすごいですね。北野の場合はさらに地方の医学科もいるでしょうから,それを入れるとさらに差は開きそうです。学区撤廃により北野一強に拍車がかかったわけですが,ちょっと集中しすぎかな…とも思います。大阪南部在住の方は,もっと近くに遜色ない学校を望んでおられるでしょうね。
その北野から阪急1本で15分足らずという立地の茨木は最も割を食ってそうですが,大健闘でしたね。大阪大学に73名,神戸大学に47名合格しており,これはともに全国1位だそうです。生徒の自主性を重んじ,決してゴリゴリの進学指導をする学校でありませんが,それでこの実績はすごいですね。
豊中も大健闘でした。数年前は文理科10校の中では第2グループと言われたりもしましたが,最近は入試の倍率も高く,それだけ優秀な生徒が集まってきているんでしょう。学校の進学指導も熱心だと聞きます。「京阪神の国公立に行けるか?」という観点では大手前とほぼ互角の実績でしたね。
春日丘・千里・池田はやはり文理科には1歩届かないという印象ですね。この表では春日丘が若干リードしているように見えますが,春日丘は東大・京大が0名なのに対し,千里は東大1名・京大2名です。また違う観点でのランキングでは入れ替わることもあるでしょう。
最後に私立高校について。私立は公立よりも医学科志向が強く,地方の国公立医学科や私立の医学科へも多く進学するため,同じ観点では少し不利になります。また,中学から通う生徒がほとんどで,甲陽にいたっては高校募集をしていません。それを承知でスコアを出すと,北野超えは…大阪星光80.1%,東大寺76.2%,灘74.9%,甲陽71.4%でした。