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2018大阪府公立高校入試問題 | 熊野塾

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塾長のブログ「2018大阪府公立高校入試問題」

2018年4月21日 ブログ

ひさしぶりのブログ更新になります。毎年春先は入試とか春期講習とかで忙しくなってしまうので…。と言い訳しつつ,これまたちょっと遅いですが,大阪の公立高校入試について所感など綴っておこうと思います。
さて,入試問題をひととおり見てちょっと驚きました。ざっくりと言うと,文系科目が難化,理系科目が易化とはっきり分かれていたように思います。もっとも,難易度なんて感じ方に個人差がありますから,「そんなことはない」という人もいるかもしれません。でも数学に関してはかなりの易化であったと思います。
国数英は現行のABC3段階になってから今年で3年目ですが,数学は過去2回と比べ,いや,それより以前と比べてもかなり解きやすかった印象です。昨年の難易度を想定し,そのうえで「数学で一発逆転」をねらっていた数学大好き受験生には不利なテストでしたね。
数学はB,Cともに問題構成は例年通りでしたが,ほぼすべての問題が易化していたように思います。ややこしい計算が無く,解法が思いつけば比較的すんなりと答えまでたどりつける問題でした。また,問題自体もオーソドックスなものばかりで,学校の定期テストと同質のものであったと思います。
特にC問題は昨年と全然違ってましたね。私の感覚では,今年のCと去年のBが同じくらいの難易度というところでしょうか。やっぱり去年はやりすぎという声が多かったんですかね…。個人的にはあれくらいとがってても良いと思いますが。
理科はやさしくなったというか,時間的な余裕ができた感じですね。問題文が長いのは相変わらずでしたが,計算問題が減っていたので,サクサク進めていけたのではないでしょうか。問題自体もどこかで見たような問題ばかりで解きやすかった印象です。結果的に平均点も上がるでしょうから,数学の易化もあり,理系の受験生はちょっと不利だったかな…という入試でした。

数学について,もう少し詳しく見ていきましょう。

B問題
大問1
例年通りの小問集合。難易度も変わらず。特に変わった点もなく,取りこぼしの無いようにしたいところです。
大問2
規則性・一次関数。以前から定番の問題ですが,昨年はグラフの問題になっており,「おっ?これからはこれでいくのか?」と思いましたが,今年は元に戻った形ですね。難易度も低いので,大問1同様しっかり正解しておきたいところです。
大問3
平面図形。過去2回に比べるとかなり易化しました。例年,差がつく単元なのですが,上位校ではそれほど差がつかなかったのではないかと思います。
大問4
立体図形。平面図形同様,過去2回に比べると易化。立体図形の問題としては基本的と言って良い難易度。ただし,立体図形自体が難しいので,今回差がついたとしたらこの問題でしょう。

C問題
大問1
小問集合。C問題では確率と不定方程式が毎年難問でしたが,今年は十分対応可能な難易度であったと思います。
大問2
平面図形。例年並みかほんのちょっと易しい程度。差がついた問題と思われます。昨年の「隠された円を見抜く」というような目新しい視点は必要なく,難しいながらもオーソドックスな問題であったと思います。
大問3
立体図形。これも立体図形としてはかなり基本的な問題でした。C問題を選択する学校を志望する生徒なら立体図形対策は相当してきたでしょうから,特に理系の受験生は拍子抜けだったのではないでしょうか。逆に「立体は捨てた」と対策をしなかった文系の方もいたかもしれません。もしそれで解けなかったとしたら痛かったですね。

今回の数学B・Cで,一番注目したい問題はC問題の大問1の(6),ヒストグラムの問題です。複雑な初期条件から正解を「推理」するタイプの問題でした。題意を正しく理解し,グラフを元に論理的に思考できるかを問う良い問題であったと思います。
思えば,昨年11月の「大学入試新テストのプレテスト」や,先日の「小6・中3全国テスト」にも同系統の問題が出題されており,「表やグラフから必要な情報を引き出して整理・推理する」という問題がこれから増えてくるのかなと感じます。
で,肝心の対策ですが,「普段から文章題を図や表で解く」ことに慣れることでしょう。文章題が苦手な子ほど図や表を書けません。これは練習が必要なので,普段から簡単な問題であっても意識して「書く」ことが重要です。あとは昨年出題されたようなダイヤグラムと一次関数などもおさえておく必要があるでしょう。いずれにしても,「なんとなくここの数字っぽいな…」というのは徹底的になくしていきましょう。
さて,これで来年がまた分からなくなってしまいましたね…。さすがに今年より簡単ということはないでしょうが,昨年並みに戻るのか,それとも今年並みか。いずれにしても,高得点勝負になることも想定し,全分野対策しておくべきでしょうね。となりの兵庫県では難化傾向なので,個人的には大阪も負けずに良質な問題を出してほしいところです。

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