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理科の勉強法 | 熊野塾

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塾長のブログ「理科の勉強法」

2017年10月28日 ブログ

いきなりこう言っちゃなんですが、みんな理科をなめてませんか?特に中学生。どうしても数学や英語が気になるのは分かりますが、理科を(あるいは社会も)軽く見てるとあとあと後悔しますよ。というのも、理科は数学や英語と違って各単元が独立しているので、苦手な単元ができてしまっても次の単元に進むと「いったんほっとく」ことができてしまうんです。で、中3の後半(今年もそろそろですね…)になって、入試用の演習をやり出すと「やべ!1年の理科全然分からん!」ということになってしまうんです。

「でも、1年の理科なんかどうせ3年になったら忘れてるやん。ほなやってもやらんでも一緒やん!」という声が聞こえてきそうですが、それは忘れるような勉強…いや、正確には「忘れたら思い出せないような勉強」をしているからです。ではどんな勉強をするのが良いのでしょうか。

たしかに、理科は一部の計算問題を除き、ほとんど知識問題と言っても過言ではありません。ということは理科が得意な人は記憶力が良いから得意なんでしょうか?よく「理科が好きだから覚えられる」と聞きますが、もしそれが本当なら好きじゃない人は先天的にハンデを背負っているということになってしまいます。好きじゃないものを好きになるって、よっぽどのことが無い限り難しいですもんね。

苦手な人はこんな風に考えていませんか?「覚えることはなるべく減らしたい。だからポイントだけ丸覚えしよう!」と。そして勉強法はと言うと、教科書にラインを引いたり、見えなくなるシートを使ったり、ブツブツと呪文のようにくりかえしたりと、とにかく教科書の用語を必要最低限だけ丸覚えするという方法。

実はそれがだめなんです。この勉強法だといわゆる短期記憶にとどまってしまい、テストが終わるとどんどん忘れていきます。長期記憶にしようと思ったらテストが終わった後も継続してくりかえしていくしかないんですが、普通はそんなことできませんよね。実際、得意な人もそんなことはしていませんし、忘れる時は忘れます。

得意な人(=好きな人)は余分な知識が多いんです。教科書に書いていないことやテストに出ないようなことも。その余分な知識が網の目状につながっているので、ひとつやふたつ忘れても他の知識から類推することができるんです。ところが、苦手な人は少しでも覚えることを減らしたいと思っているので、教科書に書いていることしか覚えようとしません。結果、知識同士がつながらず、ひとつでも忘れるともう思い出すことができないのです。

例えば、1年の植物の単元で「どっちが道管でどっちが師管だったっけ?」と悩んだことはありませんか?とくに葉の断面図。教科書にはたいてい茎の断面と葉の断面の図が別々に書いてあって、それぞれの図の中で各部位の名称が書いてあります。この図を「茎はこう、葉はこう」と別々に覚えると知識がつながりません。

一方、好きな人はこう考えます。「根はどうなっているんだろう?」と。そして根がどうなっているか分かると、根→茎→葉と道管の流れができあがるので、仮に葉がどうなっていたか忘れたとしても考えると分かるようになるんです。

この、「疑問を持てるかどうか」が決定的な分水嶺になります。疑問さえ持つことができれば、あとは先生に聞くなりインターネットで調べるなりして知識をどんどん増やすことができますから。

つまり「好きだから覚えられる」というのは言葉足らずで、「好きだから興味・疑問を持ち、知識がよりつながるから覚えられる・思い出せる」がより正確な表現です。

好きになれない人は興味を持ち、興味を持てない人は疑問を持つことからはじめましょう。疑問を持つには、丸覚えしようという意識ではだめです。本来、疑問はいくらでも出てくるはずなんです。それを「教科書に書いてあるんやからそういうもんなんやろ。覚えたらええんやろ。」と思わず、素直に聞くなり調べるなりしてみましょう。

植物の分類で、なぜ裸子植物には双子葉・単子葉以降の分類がないか、疑問に思ったことはないですか?ちゃんと理由はあります。それを調べた人は植物の分類で迷うことはありません。そういうことが自然にできる人が「好きな人」です。自然にはできないという人は、意識してやりましょうということです。

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