備忘録もかねて毎年残している「大阪府公立高校入試平均点推移」です。
以下の表はABCの3段階になった2016年からの合格者の教科別平均点です。本当は90点満点ですが,100点満点に換算してあります。
2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | |
国語A | 58.6 | 68.9 | 52.3 | 50.4 | 60.0 | 63.5 | 61.6 | 55.0 |
国語B | 63.4 | 66.0 | 57.8 | 55.1 | 61.1 | 64.2 | 59.2 | 66.7 |
国語C | 52.5 | 61.9 | 63.0 | 47.3 | 59.6 | 68.2 | 66.3 | 64.3 |
数学A | 58.4 | 51.9 | 60.7 | 64.2 | 61.4 | 56.4 | 58.2 | 48.9 |
数学B | 46.5 | 32.4 | 54.6 | 54.6 | 49.5 | 60.2 | 57.5 | 55.2 |
数学C | 44.2 | 28.6 | 56.2 | 58.0 | 41.3 | 63.4 | 66.1 | 51.2 |
英語A | 43.6 | 41.6 | 47.2 | 41.2 | 44.3 | 43.4 | 41.9 | 36.2 |
英語B | 50.1 | 48.1 | 51.6 | 46.3 | 53.4 | 48.8 | 55.2 | 53.2 |
英語C | 62.8 | 58.9 | 56.6 | 51.7 | 52.7 | 54.2 | 69.0 | 67.3 |
理科 | 49.0 | 43.7 | 50.9 | 48.6 | 53.9 | 59.9 | 58.7 | 61.0 |
社会 | 49.9 | 58.8 | 58.1 | 50.5 | 58.1 | 51.9 | 54.0 | 53.2 |
※大阪府教育センターのホームページ
https://www.osaka-c.ed.jp/category/forteacher/investigate/investigate_publication.htmlより
全体の傾向として注目なのは数学B,Cの難化と英語Cの易化でしょう。特に英語Cは2年連続で平均点が非常に高くなっています。それまでは英語Cの難度が非常に高く,英検2級を取得していると圧倒的に有利であったため,英検を取得すれば「勝ったも同然」というような状況でした。極端な話,英検2級さえ取れれば高校受験までは英語の勉強を後回しにして,その分他教科をやった方が良い,とまで言われてました。もちろん,こんな状況は好ましくありません。問題視する声も多かったです。それを受けてかどうかは分かりませんが,直近2回は難易度がグッと下がり,英検2級の実力があればテストでも8割が十分狙えるくらいにはなったと言えるのではないでしょうか。実際,受験生の実感として「あれやったら8割いける」という感想もチラホラ聞いています。いずれにしても以前ほど圧倒的優位とまでは言えなくなったでしょう。ここ数年は英検熱が過熱気味でしたので,しばらくはこれくらいの難易度が続くのではないかと思っています。
数学Bは2021年に平均点が上がり,その後やや難化傾向です。2021年はコロナの影響で出題範囲が狭かった年で,出題傾向も大きく変わり,結果易化しました。翌年から出題範囲は元に戻りましたが,計算問題の割合が上がり,図形問題が減ったため,全体では易化の印象ですが,その割に平均点が上がっていません。今年の問題で言えば,正解率の高い問題(計算,一次関数)と低い問題(小問,図形)がはっきり分かれていました。計算力を鍛え,毎年出題される一次関数を取りこぼさないことが前提で,小問をどれだけ解けるかがカギとなるでしょう。ただ,小問の正解率が低いと言っても決して難問ではありません。反比例の変化の割合(中1・2,正解率36.7),確率(中2,正解率43.1),箱ひげ図(中2,正解率49.0),表面積(中1,正解率34.3)などは基礎的な内容でしたので,十分正解できた問題です。これらの中1・2の範囲をしっかり油断なく復習しておくことが重要でしょう。図形は問題数の割合が減った上に難問です。特に最後の問題は正解率0.9%ですから,解けなくても問題ありません。解ける問題だけサッと解いて,無理そうなら深追いしなくて良いでしょう。
数学Cはまた難易度が上がりました。数学Cは難易度の上下動が激しく,どうなるか予測しにくいのですが,個人的には平均点が50点台前半になるくらいがちょうど良いのかなと思います。ですので,今年くらいの難易度で落ち着いてくれるといいなぁという感想です。各問題の難易度のバランスも良く,得意な子は高得点が狙える問題セットであったと思います。気になったのは小問の変域の問題で,正解率が40%と低かったんですが,これも決して難問ではありませんでした。B問題同様,中1・2範囲の復習が足りないと思われます。C問題で毎年出題される整数問題ですが,今年は簡単過ぎず難し過ぎずという感じで,正解率も52.2%でしたから,そんなもんかと思う一方,必ず出題されるのが分かってるんだからもうちょっと解けてても良いのかなという印象です。平面図形はオーソドックスな問題で,正解率も高かったです。さすがにしっかり対策してきているなというところ。一方,空間図形はやや難でしたね。最後の体積は力技でも解けないことはないですが,とあるコツを知っていれば比較的アッサリ解けるというタイプの問題で,正解率が4.4%という最後の問題としては絶妙な難易度でした。
全体としては,やはり英検をどうするかが入試戦略上重要になってきます。そもそも2級なんて誰でも取れるものではありません(少なくとも私はそう思っています)。他教科そっちのけで英検対策して,結果入試までに2級取れませんでしたとなれば目も当てられません。また,英語B受験であれば必要ない…というか,2級取れる実力があれば普通に8割取れると思います。C問題受験であれば有利になることは間違いないのですが,C問題の易化により北野・天王寺・茨木などの超上位クラスはテストで8割以上の勝負になり,2級では足りなくなるおそれもあります。志望校により英検戦略が変わってきそうです。数学はBもCも1・2年の復習をしっかりやってほしいですね。毎年そう思います。受験直前はどうしても2次関数や図形が気になってしまいますが,中1のデータの整理や中2の確率など,その学年で独立している単元は要注意です。当たり前ですが,「解ける問題を解く」が大事です。